いったいいつから前編だったのか、書き始めた時には考えていませんでした。
あのまま何もなかったかのように、全く別の話を始めるのもそれはそれで面白いかな、と思ったのですが。
前回の続きです。
(あらすじ)
年末の大掃除を放り出して、友達の車に乗せられ浅草へ向かった日曜の午後。夕食を済ませ、のんびりと浅草寺の境内を散歩しているユウキ@mishearingの前に現れた怪しい人影。果たして何者なのか?
男
「あんちゃん、こんなとこで何やってんだ?」
ユウキ
「え、いやちょっと携帯で写真を撮ろうと思って…」
男
「あんちゃん、観光で来てんのか?」
ユウキあんちゃん
「いや、友達とご飯を食べに来て、そんで散歩してて…」
男
「だったら、俺がもっとイイとこ連れてってやる。ついてきな」
そんなこと言われても、俺友達と一緒だし、ていうかイイとこってどこですか?
見るからに怪しい男の後を、疑心暗鬼でついていく日曜の夜。変なとこ連れて行かれたらどうしよう。
きっと連れて行かれた先は何か事務所とかで、「ここにサインしろ」とか「あり金全部おいていけ」とか「免許証出せ」とか言われるんだ。思いつく限り、何も悪いことしてないのに。もしかして境内で写真とか撮っちゃいけなかったのか?ショバ代とか?いやでも、他にも撮ってる人いたしな。さっき通りすがりのラブラブカポー(カップル)に心の中で呪いをかけたのがバレたのか。夕飯食べたあとだからお金だって少ししか持ってないし、でもやっぱ「銀行に行っておろしてこい」とか言われるのだろうか。「お金アリマセン」とか言ったら、コンクリ詰めにされて東京湾かな。いや隅田川がすぐ近くだからそっちかな。
などと持ち前の被害妄想を全開にしてノコノコと男の後をついて行くと、おもむろに一軒の派手な建物の前で立ち止まりました。
「ここだ」
え?ここって…
名前は聞いたことあるけど…
ユウキ
「ここは、何をする建物ですか?ロック座って書いてあるけど…ライブハウス?」
男はニヤリと笑い、
「入ってみればわかる。あんちゃん、6000円もってっか?」
見ると、入り口の看板には「6000円」という文字と出演者らしい女性の名前が。
すいません、写真撮るの忘れました。というか問題アリかな、と思って撮りませんでした。
さておき「ロック座」というくらいだから、何かロックな事が行われているに違いない。出演者の名前も聞き覚えはまるでない。しかしミュージシャンの世界の果てしなく隅の方に身を置いている身として、興味はある。
だが6000円は高い。
そもそも夕食に奮発してしまった僕が、6000円などというお金を持っているはずがない。
なので、正直にお金が足りないことを告げると
「そうか。残念だが仕方ねえな。またどこかで会うこともあるかもしれねえ。もしかしたら次に会う時は、お互い敵同士かもな。だが手加減はしないぜ。覚えておきな。」
と、いささかキャラが変わってしまいましたが、意味不明な言葉を残して男はロック座の中へと姿を消したのでした。
ピンチを脱した我々は、疲労感を抱えて車に乗りこみ帰宅の途につきました。
つきかけました。
かけたところで、同乗者の一人が
「お台場行きたい」
と言い出したのです。
次回、帰ってきたユウキ日記。
「~浅草からお台場へ~”ていうか収拾つかなくなってませんか?”」
なってます。
ちなみに今回初めて知ったんですけど、ロック座の”ロック”はROCKのことではなくて、六区のことだったんですね。すいません、まだまだ無知無学です。
あ、常識ですか?
しょうがないじゃん、知らなかったんだから。
と開き直ってみる忘年会前夜。